初めましてましてから3年以上ですかね。ようやく当店に大中さんがやってきます。知らない方も多いと思いますが超ざっくりご紹介しますと、山口県で作陶されてましてむちゃくちゃかっこいいです笑。陶芸家というカテゴリですが、個人的にはアーティストに近いかなと。土をベースにオブジェや平面なんかをみると彼の作品の幅がそう思わさせます。
需要は茶器が非常に多いみたいですが私のお店からは違う角度で。花器なのかオブジェなのか。過去の彼の作品から今現在に至るまでの技法を駆使し作ってもらいます。
今回はうちのようなお店での初の試み。アイデアと手法を型を通して表現してもらいます。テーマは『AMBIENT SCULPTURE』。このタイトルは自分が好きなあれから。回数を重ねた飲みニケーションの果てようやく見えてきました。
さていい感じに酔ってきたところで始めますか!
まずこの『AMBIENT SCULPTURE』非常にいいタイトルではないかと思うのですが。個人的にむちゃくちゃビンビンにきてます笑。
これは最初にRAT HOLEのお店を見て、棚を見て(木村ノリオ作)。ベースが服屋さんなんでそこまで主張が出ちゃダメだなってとこと、フォルムや造形がガンガン出てるのは引いた方がいいかなって考えながらスタートしました。そこで網永君に教えてもらった222を、お酒を飲みながら聞いてたんすよ!そしたらねっ、あああ!この音の感じやと。あれっ??AMBIENT SCULPTUREいけるんちゃう??みたいなスタートなんですよwww!
もうねっ、、ピッーーーンってきて丸とストレートで!空間に影響を与えるけれども邪魔をしないと。主張もしないと。でも鑑賞したい時にはちゃんと鑑賞できる強度を持った作品を作ろうと今回。本当に良いきっかけをもらいましたw!ありがとうございますw!
いいえ、とんでもございませんw. しかしこの変身前の乾燥中の状態から既に期待できるんですけれどw!この傾き!そして影でさえも美しい佇まいじゃないですか!!!
そう、まずこの丸。素材は広島の西条の土を使ってます。で轆䡎で丸く仕上げてテクスチャーを作るんですね。凸凹とか削りとかの造形します。乾いた後に粘土に顔料を混ぜた黒とか白とかを艶が出るまで塗って磨いて傷入れたりのテクスチャー作って本焼きの工程をします。
焼いたら全部それが定着します。そこからさらに色を入れてもう一回本焼きをします。
そっか〜、かなり手間がかかる作業工程ですね。そりゃ細かく見ればこのテクスチャーなんて全部手作業ですもんねw。これってインスピレーションはどこからですか?
元々丸いの作ってたんですけど、RAT HOLEにある『あれ』ですよ!ちょっと横楕円のランプ。並べてるのいいな〜って。そこにLINKさせようかなって思っちゃってサイズもSMLみたいな横楕円の物を作りました。あとはね、これ動きを出すためにちょっと傾けたりしたってのと、あとね正円の丸って傾けたい時に全く傾けた感がないんですよ。なので横楕円にすることで傾きが出るという!あのランプかっこいいですからね。そこに敬意を込めてです。
これは複数並べて遠近出す奥行きある置き方したいですね。また買わないといけないじゃないですかw。
そうよw! でもね今回網永くんと一緒にやるから何だろ、自分の個展だと自分が勝手に作って作品を送り出してなんだけど、ただ今回はね自分の個展でもないしギャラリーでもない。なんか色々考えたし戸惑ったよ!流れとか理由とかストーリーが欲しかったの。網永くんと会って話してを繰り返してくうちに、あれいいじゃんってのが一緒だったりとかでストーリーができて今回の作品なんですよね。
そっかー。それで中々進まなかったんですねw。なんかすみませーんw。何年もお願いしちゃってw。
いや今すごく楽しいんだよね!今作ってるのも完成ではなくてずっと変えて作り続けたいんですよ。自分の引き出しとしてもうこれ以上思いつかないなってなったら一旦休憩よ。自分が楽しみながら作りたいからね。
そこの部分も今の自分と一緒ですよ!『楽しんでやってんの?』これが有るか無いかで、想いも言葉も行動も、お客様へ贈り出す時に全く違ってくると思ってるんですよね。正直結果と言う言葉に今は全く興味がなくて。好きだから素直にやりたいし。やっぱ自分を持たないとね。
今お店でやってるカテゴリ全てなんですが、みんながもう知ってるところはいいよってな感じのマインドですよw。売れてるからやるみたいな精神性のお店にはしたくないですからね。人の色が出ないですし、器屋さんも同じだろうけれど全国同じ店になっちゃうし。まだ多くの人が知らないモノを見つけて組み合わせていく楽しみを届けたいし、自分はそうなので。あ、ビール追加でw。
お次はこの乾燥中のストレート。スタイリッシュの中に片口みたいなこのディテールは?
これもね今回ピン!ときて思いつきました!蝋燭が溶けてる感じをやってみました。なんかこの溶けてる箇所に自然と花を掛けるかなと思ったんです。花がかかってるところにグニャッとした重さが出るかなって。
おーーー、良い佇まいです!これってどういう感じにここから仕上げて行くんです?
ここから釉薬かけて筆で塗るんですよ。しかも3種類。筆で塗るからランダムになるんだよね。まず一種類塗って乾いて、2種類目塗って乾いて、3種類目塗って乾いて、本焼きします。そこからルーターとかで削り下地を磨き出します。これがね本当に嫌な作業なのよ。硬くてさ、粉塵だらけでw 辛い。
瀬川さんはこれ見た瞬間これ磨き出してるねって一発で見抜いたよ。すごくないw!?
親方はバケモンですからw。
そっかーその工程であの退廃的な表情になってたんだ!完成がこれも楽しみです!丸の色粘土に対して釉薬のストレート。もうこの二つで違うしね。ワクワクするなー。
上手く出来たら良いんだけどね。今回テンション上がってまだまだ試したいコトあったんだけど、スケジュール的に間に合わないや。。。ごめんなさい。
とんでもないっす!それはまた第二弾って事でまたストーリー作りましょう!
さっきからチラチラ目が合うこの子は?なんか発想が凄くないですかw? 底がコマみたいになってるし。
久しぶり作ったのこれ。たまーにしか作んないのよね。今回なんか傾いた作品を作ったからそれに連動してよ。なんか網永くんが言ってたじゃん。お皿とか鉢は気分じゃないと。でも一時期ね水平、垂直拒否の器作っててwww。これ良くない!?
これはね、買ってくれた方のセンスを問いますね。素敵。一応オブジェだけど使えるという。マジでAMBIENT SCULPTUREっすよコレ!!!
でしょーーーーww! あっ、でも最初に言った造形しちゃってるからやっぱ出すのやめようか??
いやいやいやいやいや。出してくださいw!
じゃー出来上がり楽しみにしててw! ファッションで言う差し色の立ち位置でね。
ok牧場です。出来上がり楽しみにしてますね! いや〜大中さんと話すとほんと楽しいw なんだろ探究心というか、今作ってるモノが完成してるなんて全く思ってもない人で。ご自宅に行っても本当に作品すら置いてない。自分が作ったモノ見たくないと言うw。
大中さんってやっぱ土物アーティストでありデザイナーなんですよね。洋服だったりもそうだけど、同じ洋服畑から洋服作ったって完成に向かってくだけで。もちろん洗練されてるけれどあまり面白くないですよね。あ、あの辺が好きなんだなとか考えたり感じさせてくれる造り手が自分は好きです。いや大中さんが好きですw。
今回のAMBIENT SCULPTUREというこの企画。エリックサティの『家具の音楽』。家具のように、そこにあっても日常生活を妨げない音楽、意識的に聴かれることのない音楽といったものを大中さんなりに置き換えてるように思います。意識して魅せる時には見る。時には意識しないで聞く(見る)。こういった焼き物とはまた違う思想だと思うのですが面白い企画になったのではないでしょうか。今回のこの作品には胸を膨らませてます。彼の作品を通して日々の生活の中に取り入れて頂けたら嬉しいです。実際僕もまだ完成を見てません。前日までお預け。
大中和典さんによるAMBIENT SCULPTURE. 12月23日(sat)から発売です。初日は本人も在店ですので皆さんお時間ありました会いにきてね!お店に来てくれた人には俺たちの最高のエンターテイメントを届けちゃうわよ。お気軽にお問い合わせください。mail : mynameis@rathole.live tel : 0834-33-9310